ヤマトヌマエビの掃除係としての能力は…

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1年半ほど前、わが家の小さな水槽に、和金2匹のウンコそうじ係としてヤマトヌマエビを採用しました。

小さいヤマトヌマエビと、さらに小さいヤマトヌマエビの2匹でした。

同時に、壁そうじ係として、イシマキ貝も2匹採用しました。

妻は、2匹のイシマキ貝に、「イシ」と「マキ」と名付けました。

しかし、ヤマトヌマエビは、ゴロが悪かったので名付けてもらえませんでした。

ちなみに、2匹の和金は、娘に「白雪姫」と「ラプンツェル」という、和金らしからぬ名前をつけられていました。

ヤマトヌマエビ2匹は、最初、水草もない水槽で、2匹の和金に怯えまくっているように見えました。

そして、かなり早い段階で、ヤマトヌマエビのウンコそうじ係としての能力は、期待をはるかに下回っていることがわかりました。

和金2匹分のウンコを処理するには、ヤマトヌマエビが10匹くらいいないと無理なようでした。

見ていると、金魚に怯えながらも、一生懸命手を動かして、砂利に落ちた金魚のフンと思われるものを食べているのですが、動きの忙しさの割に、仕事は全然はかどっていないようでした。

もしかしたら、食べた分の90%くらいは、自分のウンコとして出ているからかもしれません。

とにかく、ヤマトヌマエビを入れても、水槽掃除の頻度が少なくなるような効果は期待できないな、というのが正直な印象です。

それに対して、イシマキ貝は、堅実な仕事をします。
ハッキリと、成果を出してきます。

でも、期待はずれだった、このどこにでもいるような地味な小さいエビが、見ているとけっこう面白いことがわかりました。

魚は、当然ながら手がありませんので、動きのパターンは限られています。
でもエビは手がありますのて、必死に小さい手を口に運んでいるのを見ると、なんとなく「頑張って生きてるんだな」という感じがして、微笑ましい気持ちになります。

そして、魚と違って、脱皮をします。

抜け殻は、見事なまでに綺麗で、本人そっくりです。
というか、正確には、本人の死体に見えます。(ダランと横たわっているので)

朝起きて、抜け殻を見て、「エビが死んだ!」というガセ情報が家の中を飛び交ったのも一度や二度ではありません。

そのくらい頻繁に脱皮をします。
その割には、たいして大きくならないのですが。

とにかく、厚さ0.1ミリくらいの触覚さえ、丸々付いていて、どうやって抜け出たんだ?と不思議になるほどリアルです。

そして、本来そのへんの沼の中にいる生き物だからか、掃除をサボった淀んだ水槽の中でも、逞しく元気に生きています。

小さい方のヤマトヌマエビは、やって来て1週間くらいで、いなくなってしまいました。
前日までは確かにいたのに、跡形もなく消え失せていました。

不思議でしたが、おそらく金魚に食べられたんだろうと、無理矢理結論をつけました。

その後、金魚のラプンツェルが死に、イシマキ貝のイシが死に、白雪姫が死に、マキが死にました。

1年近くかかって、ヤマトヌマエビはついにひとりぼっちになってしまいました。

水槽掃除をサボって水質が悪くなったせいだろうと反省し、ASP方式を導入しました。
初めて水草も入れました。
そして、クロメダカを5匹と、新たなイシマキ貝を2匹入れました。

水槽に華やかさと賑やかさがやって来ましたが、ひときわ目を引いたのは、またもヤマトヌマエビでした。

水草が入ったことで、彼は狂喜乱舞しました。

今まで金魚にビビりながら、端っこに這いつくばっていたのに、突然「これがおれの生きる世界だ!」という感じで、水草を伝いながら、水面近くまで行くようになりました。

まるで木の枝から枝へ飛んでいくテナガザルのようでした。

メダカに餌をあげると、彼も必死に水面近くまでやって来て、メダカよりも先にそれを食べることさえありました。

水草からエサへジャンプすると、水面に居続けることはできないのですが、それでも手足を必死に動かして、泳ぎながらゆっくりと落ちていく様子がけなげでした。

それまで、底という二次元の世界の生き物だと思っていたので、突然三次元の生き物になったことが衝撃でした。

水槽は劇的に綺麗になりましたが、ヤマトヌマエビはメダカのエサを横取りしたり水草を食べたりして、前よりも食べ物に困らなくなったのか、動きも格段に良くなり、脱皮も頻繁になりました。

しかし、元気なのは彼だけで、小さな水槽にASP方式の水流は強すぎたのか、クロメダカは一匹ずつ死んでいき、その後入れたシロメダカ、更に追加したヒメダカも全滅してしまいました。

このまえ、最後のイシマキ貝が死んで、また彼はひとりぼっちになってしまいました。

もう、疲れてしまい、誰も水槽のことを話題にしないので、これからしばらく新たな住人は来ないのかもしれません。

もう、しばらくエサもあげていませんが、水槽を覗くと、彼はせっせと、底に落ちた水草の葉っぱを一人で食べています。